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続「田舎暮らしもほどほどに:大長谷週末寄寓人」 平日限定嫁綴り。 週末はのどかな山村・大長谷のクラインガルテンにて帰農し,平日は立山仰ぐ富山にで過ごす。      二重生活を送る一家のヨメが綴る,有閑かつエキサイティングな日々。
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先日,旦那さんの実家を訪うた際に,雨樋に穴が開いたのでこの際全部新しく取り替えるとのことで業者さんと話し合いの場をもった。

旦那さんの実家はこじんまりしてはいるが,京都らしい佇まいをみせる数寄屋作りの様相を呈しているので,それにあわせてつけられていた雨樋は全て銅であった。銅はそれにつく錆びがなんともひなびた味わいを醸し出すが,いかんせん20年もすれば腐植して穴もあく。メインテナンスも大変だ。

しかしながら,では新しい銅製の雨樋に取り替えるともなると大変ですな。一般的なプラスティックと比べると十倍位違う。そんなに高いのか。結局,メンテのことも鑑みてプラ製のものに落ち着いたのだが。

そんな話をしたあと近所を回ってみると,どうも雨樋ばかり目についてしまう。いや〜,屋根あるところに雨樋あり。無い家なんてないんですな。やはり圧倒的に多いのがプラ製のもの。交換も便利だしね。洋風の家には洋風な,和風の家には和風なプラ雨樋が。銅製のものを使ってる家屋は,やはり古く重厚なお宅が多いとみた。

でも,やっぱりプラ製ってのは・・・・・こう味気ない気が・・。
最近のパパッとできちゃうお家の壁もそうだけど,「なんちゃって煉瓦」とか「なんちゃってタイル」同様,便利で丈夫なのかもしれんが,一抹の寂しさを覚える。

ま。
そんな折り,ふと出会ったトマソンを報告。

現代版「無用庇」

発見場所・富山市内

反対側の歩道側から確認,4車線道路を自転車でつっこんだ際,あやうくタクシーにはねられそうになった。「なぜそんなに急いで・・・」と聞かれても,「い,いやあの無用庇が・・・」とは口がさけても言えない。色んな意味で危ない。

木目風トタン壁に,同素材の化粧がほどこされた庇。その下にはやはり同じようにカバーされている無用窓が,雨露からそっと護られている。

引いてみると,現場は隣家とほとんど密接している家屋の側壁部分。

隣家が立つ,あるいは改築する前はもう少し隣の物件との距離にも余裕があり,ちょいと外を眺める小窓がついていたんだろう。だが時が過ぎ,窓の外を見やっても壁ばかりとなり,外壁改修の際にそっと目を閉じられたんだろうな。裏路地にひっそり貼り付いている小さな祠みたいにも見える。

うまいこと縦筋も合わされていてるし同素材なので,綺麗に仕上がってはいるけれど,なんだか少し味気ないなぁ・・・

今回のは少しファウル。分譲建て売りタイプだナ。反省。
量産型社会においては超芸術は見つけづらい。

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『東京に幽霊が出る。トマソンという幽霊が出る。・・・(中略)日本列島の,人が集まり住むところには町が出来て,家並みがひろがり,賑やかな生活が繰り返されてる,その生活の陰に隠れて,いつしかトマソンの幽霊が出ている。』

我が家の書庫に保管されている聖典,赤瀬川原平氏の著書「超芸術トマソン」の序文抜粋である。

トマソン。
「かつてアメリカの大リーガーで,それが高給で日本に迎えられてジャイアンツの選手となった。ところがスイングは出来るがボールに当たらず,空振りとなり,野球には使い用がなくてベンチに貼り付いていた。そのトマソンを漢字で書くと「超芸術」というふうになり,その双方の言葉のねじれた位相に,都市の幽霊がぼんやりあぶり出される。」

我々はトマソニアン富山県支部として,トマソンという名の幽霊を捕獲すべく日々町をウロウロしているのだが。

週末,偶々居合わせた大阪近郊で,トマソン物件を発見したので報告する。

撮影年月日,平成22年1月23日。
所在地は大阪府豊中市近郊。

カテゴリー「純粋階段」

幼児はまだ,その漂うトマソンの影に気づく事は難しく,絶好の遊び場として認知しているが,これは正にトマソン物件だ。

階段の先に,入り口は無い。
もう少しよってみる。

壁。
自動ドアかと思って暫く立ってても駄目。

一応,赤瀬川原氏の「純粋階段」に対する考察を記しておく。
『・・・・世の中には純文学ならぬ純階段というものがあるのです。それはつまり,純粋に登り降りするだけの階段,昇った先に何もない,本当の階段そのものだけの絶対純粋階段,としか考えられないものです。娯楽性はもちろんないし,用事性も,装飾性もない。この世の中における有用性が何もない。そういう階段です。』

うん。良し。捕獲。

少し引いて見るとこのようになっている。

この物件はマンションなのだが,隣にも同じような階段があり,玄関部分と繋がっている。

当初の計画では出入り口は二カ所だったのか,あるいは間違えたものの工期との兼ね合いでそのまま放置されたのかは定かではない。しかしながら,実用化されている片方の階段と影の対をなして健気に佇む純粋階段(或いは「無用階段」)の存在が,我々の胸を熱くさせる。

なかなかトマソン物件には出会えそうで出会えないので,非常にうれしい。
これからも益々,富山の町をジロジロなめ回しながら観察して歩こうと決意(通報されない程度に)。





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