さよなら

元々わたしは子供が苦手だった。じっと睨まれるだけでうろたえてしまうし、どう相手してよいやらわからない。

だがしかし都合の良いもんで、自分に子供ができたら、小さい人達全般が可愛くて可愛くてしょうがなくなってしまった。

少年の通う幼稚園の児童たちなんて、もうかわいくて、かわいくて、全員かわいい。

幼稚園児には見えない壁をそれぞれキッチリもっていて、始めははねのけられるのだが、その壁は思いの他低く、立ち止まりしゃがんでやると、彼等の方から羊のように軽々ぴょんと飛び込んでくる。私には小さき友達が沢山いる。

今日は良い天気。桜の花も早ほころびそうな暖かさ。
新しいピカピカのおようふくがいつもと違う彼等の誇らしげな表情を一際おとなびさせている。

これは泣かずにいられるかってんだいッ！

皆さん、ご卒園、ほんとうにおめでとう。