あっしとご主人の日常

雨が降るのやら，晴れるのやら。おかしな天気ですなァ。
皆様如何お過ごしでせうか。
あっしはやかん君です。

空が晴れでも曇っても，皆それぞれやらねばならぬ事がございやすね。ええ。
あっしもお天道様の顔色なんざぁ，いちいち伺っちゃおれやせんです。
今日もご主人に連れられて，ひと仕事，ひと仕事とくりゃ。
向かいの橋向かうにあるお地蔵さんから，ちょっくらお水を頂戴するんで。


うひゃッ！毎度この水は冷てぇなぁ。



おッ！お地蔵さん，面目ねぇなぁ，尻向けちまってよ。
今日も頂戴した水で，あっしが旨ぇ茶湧かしますんで。えぇ。


ここからのいたち川の眺めがまた風情がありやしてねぇ・・・・



おうッ？

なんでぇ，鴨公かい。
今日は3人かい？おとっつあん，おかっつあんはどこでい？
いやね，こいつらぁ，この橋の下に棲んでやがる鴨の家族なんでさァ。
仲いいんだよゥ。へへッ。


ふぅ，ちょいと一休みしていきやすかね。どっこいしょ，と。

この辺りにゃぁ，川沿いの桜の樹の下に，ころ合いのいい腰掛けがいくつもあるんでさァ。有り難ぇ。


おッ・・・ご主人・・・

・・・・へへッ　いい天気になってきやしたねぇ。へへッ
（おいおい，逢い引きみてぇで，照れるじゃぁねぇですかい）


主「あれ，やかん君ッ！おまいさん調子に乗るでないよ！」

てやんでぇ，ご主人！
沸騰しちまいそうでよう，ちょいと風にあたってただけでさぁ。

主「ところでやかん君，あんた確か京都から来たのに，なんで江戸っ子なんだい。」

・・・・・・・・て，てやんでぇッ！