続「田舎暮らしもほどほどに:大長谷週末寄寓人」
平日限定嫁綴り。 週末はのどかな山村・大長谷のクラインガルテンにて帰農し,平日は立山仰ぐ富山にで過ごす。 二重生活を送る一家のヨメが綴る,有閑かつエキサイティングな日々。
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気になって気になって,なんにも手に付かなくなってしまった。
旦那さんはそんな私を見て,市役所に行ったついでに野鳥保護施設の電話番号を聞いてくれた。そこかッ!
ともかくもう一遍,あの人がいるか行ってみる。
いた。赤い。暫し見つめ合う。じーーーーーーーーーー。じー。
んがッ!どうしたらッ!お前,逃げてきたの?どこから来たの?どうしたの?
上でまたカラスがカワカワ鳴いている。これは・・・・・なんとかせねばならぬ。
ひとまず,隣にある少年の幼稚園に駆け込む。送ってきたときに先生に,近所の人がもし鳥を探しているようなら,そこにいるから・・・言っておいたのだが,連絡無しとのこと。
捕獲しますか。鼻息荒く,私と副園長先生は虫取り網と鳥かごを手に走る。
一発で捕獲する副園長。迷い無し。ごいすー。
つぶらな瞳の赤い人を取り囲む,小さなキラキラした沢山の瞳。
かわいいねぇ,どうしたの,まいご?,けがしてるの,おなかすいてるの。
園長先生は,あれまぁ,赤いわねぇ。見たことないねぇ。高く売れるわねぇ。なぁ〜んてね。御年八十有余,本当に可愛らしいお方だ。大好き。
園長早速表に出て,散歩中の町民を捕まえては鳥を見せる。こんなん飼ってる人いるかしら。町民も皆興味津々,近所の人に話して下さる。副園長は早速,文鳥の餌,あなた食べる?ミミズとってきたわよ〜,ヒマワリの種なんてどう?
少年の通うこちらの幼稚園は,このご時世に本当に珍しいくらい昔ながらの幼稚園で,富山市の中で最も古い歴史を持つ幼稚園の中の一つである。ドアは開けっ放し。
古い地区と共に歩んできたこの施設に,近所の方はおしゃべりしにくるし,飼ってる無数のカメさんや金魚さんや虫さんや鳥さんたちの餌を持ち寄ってきはったり,教材になりそうなものなどを持ち寄ってきはったりする。教育は地域とともにある,ということを見事に体現されている,富山市いち素敵な幼稚園。
だもんで。みんな幼稚園に集まって,近所の人があーでもない,こーでもない,鳥一匹の為に思案してくださるのだ。変な鳥一匹の為に。やさしさが古い建物を満たす。横で鳥を取り囲む小さい人たちよ,あなたたち安心して大きくなりな。やさしさは,いつの時代も変わらず,確かにあなたたちの近くにある。
そこへ通り掛かりの自転車にのった駐在さん。勿論顔なじみ。
若いオマワリサンの登場に,園児騒然。犬のおまわりさんを歌い出す小さき者達。
オマワリサンは,変なトリ〜ッ!とか言いながら,早速中央警察署へ連絡を入れて,落とし物登録をしてくださった(やっぱり落とし物なのね)。署には本日,セキセイインコに関する問い合わせしか無いとのこと。
私は早速,富山市婦中の山奥にある,ねいの里;野鳥獣保護センターへ連絡。
さすれば,早速つれといで。何のトリだかわからんが,弱らないうちに早くとのこと。よし。
忙しい,忙しい旦那さんにお願いして,仕事が一段落してからちょっと抜けてもらって,一路保護センターへ。後ろで小さい人たちが,哀しそうな顔で,ばいばぁい,ばいばぁい。ずっと見ててもらったもんね。早くお家帰してあげようね。
車の中で,その人はじっとしていた。口も開かず,真っ黒でまんまるのお目々で,横にに座る私や少年をじーーーーーーーーっとみていた。
山が近づくと,その人が餌箱の上にひょいと飛び乗った。そのまた奥の野鳥獣保護センターへ。外は大変な夕立。
飛び込んで,優しそうなおじさんに見せると
「うん,アカショウビンだね」
すぐに手のひらに包んで観察し,穴の開いた段ボール箱に入れた。
おじさん曰く
アカショウビン。かわせみの仲間で,稀少個体だということ。山里に住み,街には生息しないこと。(切られていると思っていた)羽はもともと短く,だがしかし怪我をしていること。カラスに食べられることもあるということ。飼育は通常無理ということ。そして,この人は女の子だということを教えていただいた。真っ赤なクチバシのおんなのこ。
センターのある山には,アカショウビンが少数ながら生息しているらしい。
怪我が治ったら,また仲間と一緒に暮らせるね。
空っぽの鳥かごが,なんだかとても淋しい帰り道。少年が,さみしいねぇ,しんぶんしのうえに,とりさんのかげがみえるねぇ,といった。ほんとだねぇ。よかったけど,ほんとだねぇ。さみしいねぇ。
何故かわせみの仲間が,街の中心部でボーっと座り込んでいたのか。何故あの人は怪我していたのか。解らないけれど,よかった,と園長先生は笑った。よかった。
旦那さん,忙しいのにごめんね。ありがとう。
どうしても,見過ごせなかったんだよ。
赤茶のはねの色と,長くてふっくらしたクチバシと,丸いお目々とおっきな頭がね,旦那さんにそっくりだったんだよ。

旦那さんはそんな私を見て,市役所に行ったついでに野鳥保護施設の電話番号を聞いてくれた。そこかッ!
ともかくもう一遍,あの人がいるか行ってみる。
いた。赤い。暫し見つめ合う。じーーーーーーーーーー。じー。
んがッ!どうしたらッ!お前,逃げてきたの?どこから来たの?どうしたの?
上でまたカラスがカワカワ鳴いている。これは・・・・・なんとかせねばならぬ。
ひとまず,隣にある少年の幼稚園に駆け込む。送ってきたときに先生に,近所の人がもし鳥を探しているようなら,そこにいるから・・・言っておいたのだが,連絡無しとのこと。
捕獲しますか。鼻息荒く,私と副園長先生は虫取り網と鳥かごを手に走る。
一発で捕獲する副園長。迷い無し。ごいすー。
つぶらな瞳の赤い人を取り囲む,小さなキラキラした沢山の瞳。
かわいいねぇ,どうしたの,まいご?,けがしてるの,おなかすいてるの。
園長先生は,あれまぁ,赤いわねぇ。見たことないねぇ。高く売れるわねぇ。なぁ〜んてね。御年八十有余,本当に可愛らしいお方だ。大好き。
園長早速表に出て,散歩中の町民を捕まえては鳥を見せる。こんなん飼ってる人いるかしら。町民も皆興味津々,近所の人に話して下さる。副園長は早速,文鳥の餌,あなた食べる?ミミズとってきたわよ〜,ヒマワリの種なんてどう?
少年の通うこちらの幼稚園は,このご時世に本当に珍しいくらい昔ながらの幼稚園で,富山市の中で最も古い歴史を持つ幼稚園の中の一つである。ドアは開けっ放し。
古い地区と共に歩んできたこの施設に,近所の方はおしゃべりしにくるし,飼ってる無数のカメさんや金魚さんや虫さんや鳥さんたちの餌を持ち寄ってきはったり,教材になりそうなものなどを持ち寄ってきはったりする。教育は地域とともにある,ということを見事に体現されている,富山市いち素敵な幼稚園。
だもんで。みんな幼稚園に集まって,近所の人があーでもない,こーでもない,鳥一匹の為に思案してくださるのだ。変な鳥一匹の為に。やさしさが古い建物を満たす。横で鳥を取り囲む小さい人たちよ,あなたたち安心して大きくなりな。やさしさは,いつの時代も変わらず,確かにあなたたちの近くにある。
そこへ通り掛かりの自転車にのった駐在さん。勿論顔なじみ。
若いオマワリサンの登場に,園児騒然。犬のおまわりさんを歌い出す小さき者達。
オマワリサンは,変なトリ〜ッ!とか言いながら,早速中央警察署へ連絡を入れて,落とし物登録をしてくださった(やっぱり落とし物なのね)。署には本日,セキセイインコに関する問い合わせしか無いとのこと。
私は早速,富山市婦中の山奥にある,ねいの里;野鳥獣保護センターへ連絡。
さすれば,早速つれといで。何のトリだかわからんが,弱らないうちに早くとのこと。よし。
忙しい,忙しい旦那さんにお願いして,仕事が一段落してからちょっと抜けてもらって,一路保護センターへ。後ろで小さい人たちが,哀しそうな顔で,ばいばぁい,ばいばぁい。ずっと見ててもらったもんね。早くお家帰してあげようね。
車の中で,その人はじっとしていた。口も開かず,真っ黒でまんまるのお目々で,横にに座る私や少年をじーーーーーーーーっとみていた。
山が近づくと,その人が餌箱の上にひょいと飛び乗った。そのまた奥の野鳥獣保護センターへ。外は大変な夕立。
飛び込んで,優しそうなおじさんに見せると
「うん,アカショウビンだね」
すぐに手のひらに包んで観察し,穴の開いた段ボール箱に入れた。
おじさん曰く
アカショウビン。かわせみの仲間で,稀少個体だということ。山里に住み,街には生息しないこと。(切られていると思っていた)羽はもともと短く,だがしかし怪我をしていること。カラスに食べられることもあるということ。飼育は通常無理ということ。そして,この人は女の子だということを教えていただいた。真っ赤なクチバシのおんなのこ。
センターのある山には,アカショウビンが少数ながら生息しているらしい。
怪我が治ったら,また仲間と一緒に暮らせるね。
空っぽの鳥かごが,なんだかとても淋しい帰り道。少年が,さみしいねぇ,しんぶんしのうえに,とりさんのかげがみえるねぇ,といった。ほんとだねぇ。よかったけど,ほんとだねぇ。さみしいねぇ。
何故かわせみの仲間が,街の中心部でボーっと座り込んでいたのか。何故あの人は怪我していたのか。解らないけれど,よかった,と園長先生は笑った。よかった。
旦那さん,忙しいのにごめんね。ありがとう。
どうしても,見過ごせなかったんだよ。
赤茶のはねの色と,長くてふっくらしたクチバシと,丸いお目々とおっきな頭がね,旦那さんにそっくりだったんだよ。
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