リスのオヤツ

そういえば七草、今年もやったわ。

なずな ななくさ とうどの とりが わたらぬ さきに

怪しい呪文を七回、唄いながら春の七草を包丁の背で叩く。
出来たお粥は真っ白で、刻んだ草の青が翡翠の様に綺麗なお椀になる。

全くもって綺麗な朝喰ですね。
これで今年の身体と心はリセット。
無駄なものを削ぎ落として、スッキリ綺麗になってゆく気が致しました。

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致しました。
スッキリ綺麗になった気が。

MD。MD。(ム ダ)
足の骨一本で、あっという間にマシュマロマンに元通り。
フッカフッカの身体とギプスをズルズル引きずって、毎日学校から三時のオヤツ(MD)を目当てに満面の笑みを携えて帰ってくるクララ。

しかも入院すると子供ってね、色々とMDKになるんですよ。
MDK。MDK。(めん ど くさい)

色んなストレス、家族と離れる淋しさ、辛さ。
一方で世話を焼いてくれる看護師さん、ブロイラー並みにキッチリでてくる御飯、延々と垂れ流しのオモチャやテレビ。
我儘やイジケ、攻撃性等、其々に出てくる変化は異なれど、いずれ皆MDKになるのは当然の帰結。

クララ(マシュマロン)の場合、元々過剰なまでの「幾つになっても甘えんぼ♪光線」を出し続けていた上に、入院の副作用MDKが加わって、更にSUMDK(スーパーウルトラめんどくさい)甘えん坊マシュマロマンになった。もうムッシムッシ。

これが…すこぶる我々の生活にムッシリとした圧迫感を与えている。
デカイ声は更にデカく、フカフカの腹と顔は更にフカフカ、近寄る距離は更に近すぎて激突、ながい(くだらない)話は更に長く(くだらなく)…

先日遂に、甘えのレヴェルMAXに到達。
呼ばれた先で差し出されたには、モノサシの上にフッカと山盛りにされた細かいカス。
痒いギプスの中に指を突っ込んで掻き出したブツ。
其の儘私は眉一つ動かさずに、声の抑揚を０にして「自分で洗ってらっしゃい」と言ったよね。

MDK限界か。
明日漸く、少年のギプスが取れる。

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MDK限界を察知してか、「疲れた心を甘いもんで癒してネ 」とリスの人がリスのオヤツをくれた。

鎌倉銘菓『クルミッ子』。ただ心に栄養を与える為だけにに作られた小さい奴。

クッキー生地の間に、やっこい生キャラメルの衣を纏ったクルミがムギュッと小さい中につまっている。甘い。肥る。でも小さくて止まらない。

無駄の有。
MDはクセになるのか。
七草で削ぎ落とした筈のMDが…でも止まらん。リスの人、ありがとう。